煮物や漬物など幅広く使える大根は、冬野菜の大様といえます。
他の冬野菜と比べて比較的作りやすいので、ぜひ挑戦してください。無農薬で栽培できますよ。
八尾青山町キッチンファームの大根の栽培方法のコツを紹介します。
目次
大根の栽培時期
大根の発芽適温は15℃から30℃と幅広いです。ただ、あまり温度が高いと、トウがたったり、スが入ったりします。病害虫の被害にあうリスクが高くなります。
大根の栽培は、春まきはよりも気温が次第に下がっていく秋まきの方が作りやすいです。
秋まきでもあまり早すぎると高温で発芽率が低くくなります。また、病害虫の被害も多いでます。
逆にあまりに遅すぎると根が太りません。年内にりっぱな大根を収穫したいなら、9月上中旬が最もいい種まきの時期です。
八尾青山町キッチンファームは毎年9月5日前後に種まきをしています。品種はタキイの耐病総太りです。
耐病総太りは青首系の大根で病気の発生が少なく、作りやすいので気に入っています。太っても長く畑に置いてけるのもいいですね。2月末までトウだちせず、畑に置いておけます。
自分の畑の地域にあった播種時期を見つけるようにしてください。
大根栽培のための土づくり
ポイント1 土壌を膨軟にするため完熟牛糞堆肥を使う
ポイント2 股割れをなくすため小石を取り除く
ポイント3 水はけをよくするため高畝にする
大根の栽培方法・育て方で一番重要なのが、土づくりです。大根は土の中で育つ野菜なので、土壌を最良の状態にすることが大事です。
ポイント1 土壌を膨軟にするため完熟牛糞堆肥を使う
播種1か月前までに牡蠣殻石灰と完熟牛糞堆肥を施します。
牡蠣殻石灰は1mにつき1握、完熟牛糞堆肥は、1mにつきバケツ半分です。
肥料分として綿実油粕を1mにつき4握りを施します。
八尾青山町キッチンファームではできるだけ有機栽培を目指していますので綿実油粕を使用しています。牛糞完熟堆肥は土を膨軟にするのに大変効果的です。
牡蠣殻石灰、完熟牛糞堆肥、綿実油粕を畝の上に散布したら、土とよく混ざるよう耕します。
八尾青山町キッチンファームは管理機で耕しています。
土が硬いと大根が曲がったり、形がいびつになったりします。少なくとも深さ30cmくらいまではよく耕します。
牛糞完熟堆肥の品質は、非常に大切です。信頼できる肥料店で購入します。ホームセンターで購入する場合は、「完熟堆肥」と表示してあるものを使用します。
八尾青山町キッチンファームは、この後、除草と有用微生物を増やすために、透明ビニルマルチで覆い太陽熱養生処理を行っています。
ポイント2 股割れをなくすため小石を取り除く
大根の根は、石や土の塊、肥料、未熟堆肥などがあると、曲がったり股割れになったりします。根の成長の障害になる物は取り除きます。
八尾青山町キッチンファームは、区画整理事業の際にふるいにかけた真砂土が入れられていますので、小石はありません。
肥料、堆肥を投入しますが、太陽熱養生処理を梅雨明けから盆過ぎまでするため、土壌が膨軟になり大根の栽培に最適な土壌になっています。
また、有用微生物を増やすためぼかし肥料、納豆菌強化えひめAIも使用します。
もし、元肥として化学肥料を入れる場合は、1週間前に畝の中央に割肥で入れます。割肥にすると根が肥料にふれず真っ直ぐ下に伸びてくれます。
ポイント3 水はけをよくするため高畝にする
大根は、通気性と保水性のよい土壌が必要です。土が過湿になると、軟腐病が多くなります。
大根の栽培は、高さ20cm以上の高畝とし、水はけをよくします。さらに、畝幅も広くします。
八尾青山町キッチンファームは畝幅180cmで栽培しています。大きな畝にすると疎植になり、病気の発生が減ります。
大根の播種と管理
大根の種は、基本的に畝に直播します。
前作の都合で移植する場合は、根が10cm程度に成長してから移植します。ただし、移植すると根は、太りますが伸びません。
大根の播種は筋播きにします。
三角ホウの先で畝に深さ1cm程度の筋をつけ、筋に5cm間隔で大根の種を落としていきます。
プロの農家は、株間30センチ間隔で、1か所につき3粒から4粒ずつ点まきしているようです。
八尾青山町キッチンファームは筋播きして、間引きしながら収穫しています。手間はかかりますが収量が多く狭い畑にあった大根の栽培方法です。家庭菜園にも向いています。
また大根の間引き菜が食べられるのもいいですよ。
播種が終わったら土をかけ手でしっかり押さえます。しっかり押さえたら水はやる必要はありません。水は下から上がってきます。
乾燥防止と、コウロギに食べられるのを防ぐため寒冷紗をかけます。
大根は種まきが終わったら特にする作業がありません。
2日から3日で発芽します。本葉が見えてきたら寒冷紗を剥がします。
大根の株がぐらぐらしていますので、手で軽く土寄せをします。
寒冷紗を剥がした時、まだ暑く、畑にバッタやコオロギがたくさんいる年があります。
バッタやコオロギの食害を防ぐため、不織布のパオパオをべた掛けしたり、防虫ネットでトンネルをつくります。
農薬を使っていませんので、間引き菜は安して食べられます。塩だけで浅漬けにします。シャキシャキとしてご飯と相性が抜群です。
大根の収穫
大根の収穫は随時です。市場に出荷するわけでもないのでサイズの規格は関係なしです。
大きくても小さくても味は同じです。
しいて言えば、上に真っ直ぐに茂っていた葉が、垂れ下がって来たら収穫の目安です。
大根は年が明けてからも太ります。根の部分が太り、根の部分に比べて葉の割合が少なくなってきます。
葉っぱもぜひ食べてほしいです。葉っぱを収穫する場合は葉が上に真っ直ぐ伸びている時期に収穫するといいです。
冬場は一気に収穫せずに少しずつ収穫し、長い間新鮮な大根を楽しむため、畑に、はえたままにして保存しておきます。
タキイの耐病総太りはスが入りにくい品種で長期の収穫を楽しめますのでおすすめの品種です。
2月末頃になるとトウがたちはじめるので、土から引き抜き保存します。
大根の保存方法はこちら
大根の主な病害虫
キスジノミハムシ、コオロギ、バッタ、ヨトウムシ、アオムシ、コナガ、アブラムシ、ダイコンサルハムシなどが主な害虫です。
特にキスジノミハムシの幼虫は大根の表面を食べるため、大根の肌が汚くなります。
八尾青山町キッチンファームは夏の間に太陽熱養生処理をしますので、害虫はほとんど死んでしまいます。
また、外部からの害虫に対しては防虫ネットで対処しています。
どうしても、農薬に頼る場合は種まき前に、土壌に混ぜるタイプの殺虫剤を使用すると効果的です。
ダイアジノン5は、適用作物が多くお勧めの殺虫剤です。農薬に頼る場合は、ダイアジン5の1回だけの使用で大根の栽培は可能です。
病気はウイルス病があります。ウイルス病はアブラムシによって運ばれてきますので、アブラムシの防除が大切です。防虫ネットのトンネルが有効です。
大根の栽培方法、育て方のコツ、まとめ
大根は、土づくりを十分すれば比較的楽に栽培できる野菜です。
楽に栽培するコツは3つです。
- 太陽養生処理をする
- 種を播いたら寒冷紗を被せる
- 防虫ネットのトンネルを被せる
(1)太陽熱養生処理をする
土にいる害虫や病原菌を熱で殺してしまいます。ヨトウムシなどが発芽時に芽を食い切るのを防ぎます。
太陽熱養生処理ができない時はアルバリン5などの殺虫剤を土に混和します。
(2)種を播いたら寒冷紗を被せる
寒冷紗を被せることでバッタやコオロギの食害を防ぎます
(3)防虫ネットのトンネルを被せる
防虫ネットを被せることでアオムシ、アブラムシの被害を防ぎます。
3つのポイントを実行するのに、手間がかかるようですがやってみると意外と楽です。
収穫した大根は漬け物や煮物にすると美味しいです。
お勧めは大根おろしです。大根おろしで生のまま味わってみてください。みずみずしさと甘さに満足しますよ。
美味しい大根おろしをおろすために