春菊

春菊(しゅんぎく)(菊菜)の栽培方法、育て方のコツ | 八尾青山町キッチンファーム

春菊は、大阪では菊菜と呼ばれています。

春菊は冬の鍋物の定番野菜です。鍋物だけでなく、サラダ、おひたし、ゴマ和え、てんぷらといろいろな料理に合います。

特に、おすすめなのはサラダです。家庭菜園で作ればいつでも新鮮なおいしいサラダが楽しめます。

春菊の独特の苦みがくせになりますよ。

春菊は緑黄野菜で、カロテンや、カルシウムをはじめ、マグネシウム、リン、鉄分などのミネラルを含んでいます。

抗がん作用や高血圧の予防に効果があります。

また、独特の香りが自律神経に作用し、胃腸を活性化すると言われています。

春菊は、病害虫が少なく作りやすいキク科の野菜です。

白菜やキャベツなどアブラナ科の野菜に発生する害虫を防ぐ効果があり、家庭菜園ではコンパニオンプランツとしてもおすすめです。

連作可能か可能。播種適期が広く、栽培期間と収穫期間が長いので、家庭菜園におすすめの野菜です。プランターでの栽培も手軽にできます。

八尾青山町キッチンファームの栽培方法を紹介します。

春菊の種類

 

春菊は、葉の切れ込みの程度によって大葉種、中葉種、小葉種に分類されます。

  • 大葉種
  • 中葉種
  • 小葉種

 

大葉種

 

葉は大型で切れ込みが浅く、葉肉が厚い品種です。葉がやわらかく、苦みが少ないのが特長です。九州、四国で多く栽培されています。

中葉種

 

日本全国で最も多く栽培され、品種がも多いです。

中葉種は、側枝の分岐が少なく茎が伸びやすい「株立ち型」と、根元から株が張り側枝の分岐が多い「株張り型」の、2つのタイプに分類されます。

  1. 株立ち型
  2. 株張り型

(1)株立ち型

茎が立ち上がって分枝します。伸長した茎葉を順次摘み取り出荷するのに向く品種です。関東で多く栽培されています。

(2)株張り型

茎があまり伸びず、株が横に伸びます。根ごと引き抜い収穫する品種です。葉が丸みを帯びているのが特徴です。関西で多く栽培されています。

小葉種

 

葉が小型で切れ込みが多く、葉肉が薄い品種です。収量が少ないので、あまり栽培されていません。

非常に栄養価の高い春菊

春菊は非常に栄養価の高い野菜です。

  • たくさんのカロテンを含む
  • ミネラルが豊富
  • 高血圧に効果あり
  • 胃腸を活性化する

などの有用な野菜です。

たくさんのカロテンを含む

 

春菊は、緑黄色野菜で非常にたくさんのカロテンを含みます。 β-カロテンは抗発ガン作用で知られています。

他にも体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、また、喉や肺などの呼吸器系統を守る作用があるといわれています。

ミネラルが豊富

 

春菊は骨を丈夫にするミネラルが豊富です。カルシウムをはじめ、マグネシウム、リン、鉄分などのミネラルが含まれています。

いずれも骨を生成する上で欠かせない成分です。骨を丈夫にして、健康を維持します。

高血圧に効果あり

 

高血圧の予防に効果があります。カリウムはナトリウム(塩分)を排泄する役割があるので、高血圧を防ぐ効果があります。

また、運動による筋肉のけいれんを防ぐ働きがあります。

胃腸を活性化する

 

また、春菊に含まれている香りの成分は自律神経に作用し、胃腸を活性化し、咳や痰を抑える効果があります。

春菊の品種、「大葉春菊」と「おやさと中葉」

 

八尾青山町キッチンファームで育てている春菊の品種は、サカタのタネも「大葉春菊」と、大和園芸の「おやさと中葉」です。どちらも「株立ち型」の品種です。

大葉春菊
大葉春菊大葉春菊

 

おやさと中葉
おやさと中葉おやさと中葉

 

 

  • 「大葉春菊」の特長
  • 「おやさと中葉」の特徴

「大葉春菊」の特長

 

「大葉春菊」は、関西以西で特に好まれている大葉の株立ち型の春菊です。

中葉春菊に比べて、葉色はやや淡く、茎葉は肉厚で大きく、やわらかくて強い香りがあります。暑さ寒さに強いのが特長です。

大葉春菊の苗大葉春菊の苗

 

「おやさと中葉」の特徴

 

「おやさと中葉」は、良く分枝する中葉新菊で長期間収穫を楽しめます。葉の切れ込みは深くやわらかいです。暑さ寒さに強く周年栽培が可能です。

春菊の土づくり

 

春菊は、連作には強い野菜です。しかし、連作を続けると地力が低下します。

地力の低下は、病気の発生につながり、品質低下の原因になります。完熟牛糞堆肥などの有機物を積極的に施して土づくりを心がけることが大切です。

八尾青山町キッチンファームでは毎作ごとに完熟牛糞堆肥を投入しています。

元肥は、窒素肥料を主体に施します。1mに過石1握り、ぼかし肥料4握りが目安です。

大葉春菊は、株立ち型の春菊で伸長した茎葉を順次摘み取る「摘み取り収穫」をしますので、栽培期間と収穫期間が長くなります。

前作の残効肥料を考慮した上で、元肥一発としています。

元肥を入れ土とよく混和したら、一雨もらってから、穴あきの黒色ビニルマルチを被せておきます。

 

酸度調整にカキ殻有機石灰

春菊は酸性土壌を嫌います。好適pHは6.0~6.5です。酸度調整には、カキ殻有機石灰をお勧めします。種まき直前に使えるので、初心者にも使いやすいです。酸性土壌の中和に使えるのはもちろん、カルシウムなどミネラルの補給になります。 

春菊の育て方のポイント

 

八尾青山町キッチンファームは、苗床に播種しています。播種時期は10月中旬です。

9月上旬ですと移植が9月下旬になり、まだ、害虫が畑にたくさんいます。

無農薬で栽培するなら、種まきは10月中旬以降とし、畑に移植するのは11月中旬とします。

春菊は、発芽率が低いため種を多めにまきます。発芽するまでは水を切らさないようにします。

 

八尾青山町キチンファームの苗床の種まき方法

 

育苗して本葉が5~6枚展葉したら苗を畑に定植します。

移植適期の春菊の苗移植適期を迎えた春菊の苗

 

穴あき黒色ビニルマルチに1株ずつ植えていきます。風で揺さぶれないよう寝かして植えるのがコツです。

もし、直播するなら、条間20cmに筋まきし、間引いて本葉3~4枚で株間15cm程度にします。

春菊は、発芽率が低いため、種を多めにまきます。

また、春菊は好光性種子で、発芽には光を必要とします。種には土をかけずクワの背中で軽く押さえておくだけにします。

 

春菊は発芽率が悪いので、種まきにちょっと工夫が必要です。発芽率をよくするには、濡らした手ぬぐいに包み24時間冷蔵庫に入れて、翌日の夕方に種まきします。発芽率が高まり生育のそろいがよくなります。古種を使うときに有効です。 

春菊の寒さ対策にパオパオ

 

厳冬期に、寒さで葉の先が黒く枯れる時があります。パオパオなどのべた掛け資材をかぶせるといいでしょう。

春菊のニンジン葉に追肥

 

また、ニンジン葉が発生する時があります。肥料不足かもしれませんので追肥をします。

追肥はぼかし肥料を株元に1掴みおきます。

 

春菊のにんじん葉肥料不足で現れるににんじん葉

 

春菊の収穫

 

草丈が20cmほどに伸びたら、下の方の葉を3~4枚残して摘みとり収穫をします。

その後、わき芽が下から伸びてきますので、わき芽の下葉を1~2枚残しながら収穫を続けます。

成長が鈍いようでしたら、ぼかし肥料を株元にひとつまみ置きます。春になり暖かくなってくるとトウ立ちします。トウ立ち前まで収穫できます。

大阪では根ごと引き抜く「抜き取り収穫」栽培が主です。

八尾青山町キッチンファームは、関東で多い「摘み取り収穫」をしていますので、株ごとの姿になじんだ方には珍しいかもしれません。

摘み取り収穫した春菊摘み取り収穫した春菊

春菊の病害虫

 

病害虫にかなり強い野菜ですが、アブラムシやハモグリバエなどに注意が必要です。

害虫が発生するようであれば、防虫ネットでトンネルをして防ぎます。

防虫ネットには1mm、0.8mm、0.6mm、0.4mmなどの目合いがあります。1mmではアブラムシが通過してしまいます。0.6mmであれば完全に防げます。

0.4mmはジョロの水が通過しにくいので、水やりに難儀します。

春菊の栽培方法、育て方のコツ・まとめ

 

春菊は、病害虫が少なく作りやすいキク科の野菜です。

アブラナ科の野菜に発生する害虫を防ぐ効果があり、家庭菜園ではコンパニオンプランツとしてもおすすめです。

鍋物だけでなく、サラダ、おひたし、ゴマ和え、てんぷらといろいろな料理に合います。

育てやすいので、ぜひ栽培に挑戦してみてください。