種まきは野菜栽培の第一歩です。
種まきしてもうまく発芽しない時がよくあります。
高価な育苗用土を使っても、発芽がそろわない。発芽しても成長にムラがある、など、家庭菜園ではよく経験することです。
種のまき方次第で、発芽率やその後の苗の成長、ひいては野菜の収穫量が変わってきます。
特に秋冬野菜は、種まきに失敗すると、再度種まきするときは、すでに気温が下がっており、今季の収穫をあきらめなければならないことになります。
野菜栽培で種まきは、大切な作業といえます。
八尾青山町キッチンファームは、ぼら土と、芝の目土を用いて種まきをしています。
播種適期を間違わなければ、比較的簡単に育苗できます。
八尾青山町キッチンファームの種まきを紹介します。
目次
種まきに最適!ぼら土とは
ぼら土は、「ひゅうが土」、「日向ぼら土」などの商品名で販売されています。
いずれも、宮崎県南部の霧島系火山帯で採取できる硬い軽石です。
「ひゅうが土」は、ひゅうが土販売株式会社が扱っており、八尾青山町キッチンファームは、「ひゅうが土」を使っています。
最近は、多肉植物を育てる人が増えてきているためか、ぼら土がネットで売られていることが多くなり手軽に入手できるようなりました。
ぼら土は、鹿沼土よりも硬くて、軽石よりも柔らかい性質があります。軽石は水に浮きますが、ぼら土は水に入れると沈みます。酸度は中性です。
ぼら土の特徴をまとめてみると
ぼら土の特徴
- 粒が硬く潰れにくい
- 粒の大きさが揃っており隙間が均等になるので根が伸びやすい
- 多孔質なので排水性・通気性が良い
- 無菌、無養分で種子の混入が無い
- pHは6前後の弱酸性
- 保水力・保肥力が優れている
1ぼら土は粒が硬く潰れにくい
ぼら土は粒が硬く潰れにくく、また、多孔質なので排水性が良いです。
赤玉土など一般の土は、長期間使い続けると粒が崩れ、鉢内で隙間がなくなっていきます。
長期間植え替えをしていない鉢は、土が崩れ根が回りぎちぎちに詰まってしまいます。ぼら土は、粒が硬く崩れにくいので、常に鉢内に空間が保たれ、高い排水性を保ちます。
ヒント
八尾青山町キッチンファームでは、ぼら土が潰れにくいので、使用後に洗い、日光消毒して繰り返し利用しています。
2粒の大きさが揃っており隙間が均等になるので根が伸びやすい
ひゅうが土販売株式会社のひゅうが土は、大粒、中粒、小粒、細粒に選別されていて、どれも粒の大きさがそろっています。
粒がそろっているため、粒の隙間が均等になり、根が伸びやすくなります。粒の大きさによって袋の色が分けられています。
散根性の植物は、肥料を吸収する根毛が多いので、小粒のぼら土を選ぶと根の張りがよくなります。
3多孔質なので排水性・通気性が良い
ぼら土は、宮崎県都城市付近から産出される霧島系火山帯の噴出物が堆積した火山砂礫(かざんされき)の事を言います。
火山性の軽石なので、多孔質。排水性、通気性が良いです。
4無菌、無養分で種子の混入が無い
ぼら土は、火山噴出物の堆積土壌からとれますので、雑菌がおらず清潔で、一般の培養土と違い他植物の種子の混入がありません。
5pHは6前後の弱酸性
日本は酸性雨が降ることから、日本で採れる土はほぼpH5~6の弱酸性です。ぼら土も同様です。
中性~アルカリ性の土を好む野菜を育てるときは、過燐酸石灰を混ぜて酸性度合いを調節します。
6保水力・保肥力が優れている
保水性に優れています。
育苗の際、手軽に水やりできる環境にあれば、保水性の高さ、水はけの良さは、種まきに大きなメリットになります。
乾燥を防ぐため種まきするとすぐに、新聞紙をかけ、新聞紙も濡らしておきます。
保肥力があるので、発芽後、ぼかし肥料を少量株元に置きます。
種まき、育苗の手順
種を播種すると、種は温度と水分が適当であれば、発芽します。発芽に養分は必要ありません。種自身が持つ養分で発芽します。
発芽に用土の養分はいらないのです。
八尾青山町キッチンファームは、ぼら土の持つメリットを活かして苗づくりをしています。
種のまき方次第で、発芽率やその後の育苗作業、収穫量も変わります。簡単、楽な種まきの方法を知り、より効率の良い野菜栽培に取り組みましょう。
種まきについて
野菜作りの基本作業である種まきは、大きく分けてすじまき、点まき、ばらまきがあります。
また、野菜の種類によって太陽の光が必要な種もありますので、覆土の深さについても考えて種をまく必要があります。
八尾青山町キッチンファームの育苗種まきは、主に点まきと筋まきで種まきしています。
すじまき
ぼら土の表面を、細く長い棒状の角を表面に押し当てて列状の溝を作ります。
その溝に種を等間隔でまいていく方法です。
水菜、みぶな、春菊などの種をまきます。
まきすじの深さや条間は野菜の種類によって異なりますが、だいたい1cm間隔になるよう、ひねりまきでまきます。
覆土は芝の目土を軽くかけます。
ジョロで水をかける時には、勢いよくかけすぎて種が流れ出ないよう注意します。
最後に新聞紙で覆い、新聞紙にもジョロで水をかけ、湿らせておきます。
新聞紙は24時間後に取り除きます。
点まき
種を3cm程度の等間隔にまきます。
トウモロコシや枝豆などをまくときに点まきにします。
覆土や水のやり方は、すじまきと同様です。
種まきのコツ、好光性種子(こうこうせいしゅし)に注意
好光性種子とは発芽に光が必要な種のことで、春菊などの微細種子の多くがこれにあたります。
覆土を厚くしてしまうと日光が足りずに発芽しません。
目土をパラパラと振りかける程度でいいです。
発芽には水分が必要ですので、新聞紙を被せますが、一晩おく程度で早い目に取り除きます。
点まきの種の個数は、発芽率、移植が可能かどうか(直根ではないかどうか)により変わります。
例えば、トウモロコシ、枝豆は発芽率も良く、苗の小さいうちは移植も出来るので一か所に1粒で充分です。
春菊はは発芽率が悪いため厚めにまいて、確実に発芽させます。春菊は値段も安いので気軽に播けます。
オクラは種が硬いので別の播き方がいいです。
育苗管理
発芽がそろったら、条間にぼかし肥を置きます。
灌水はぼかし肥発酵液肥を100倍に薄めたのをジョロで与えます。ぼら土の表面が白く乾きはじめたら与えます。
定植適期まで、100倍に薄めたぼかし発酵液肥をかん水代わりに与えます。
ぼかし発酵液肥の作り方
種まきのコツ、おすすめ用土まとめ
育苗用土にぼら土を使います。ぼら土は、次のような特徴があります。
・粒が硬く潰れにくい
・粒の大きさが揃っており隙間が均等になるので根が伸びやすい
・多孔質なので排水性・通気性が良い
・無菌、無養分で種子の混入が無い
・pHは6前後の弱酸性
・保水力・保肥力が優れている
以上のような特徴があり、育苗用土に適しています。
- 栽培野菜の種に応じて、筋まき、点まきとします。
- 覆土には芝生の目土を用います。
- 覆土したっぷりかん水したら、新聞紙を被せ再度、新聞紙の上からかん水します。
- 24時間後新聞紙を取り除きぼかし発酵液肥の100倍液をかん水します。
- 発芽したら、ぼかし肥を条間に置きます。
- 定植適期までぼら土の表面が白く乾いたらぼかし発酵液肥の100倍液をかん水します。
「三つ子の魂百まで」といわれるように、育苗時に多肥で肥満型で生育したのは、生育の終わりまで肥満型で生育し耐病性が弱くなります。
自然の山の草木は、化学肥料がなくてもちゃんと発芽し、病虫害にやられることなく、健全に育っています。
八尾青山町キッチンファームもできるだけ自然界に近い環境で丈夫な野菜を育てたいと思っています。