八尾青山町キッチンファームは、毎年夏になると太陽熱養生処理を行っています。
太陽熱養生処理は、太陽の熱と微生物の発酵熱で土壌を高温にし、雑草の種や病原菌、センチュウなどを駆除する方法です。
太陽熱養生処理をすることにより、土壌がフカフカの団粒構造になり植物が育ちやすい土壌環境にします。
八尾青山町キッチンファームの太陽熱養生処理の方法を紹介しましょう。
目次
太陽熱養生処理とは
「太陽熱養生処理」とは、太陽熱と微生物の発酵熱を利用して
- 病気、害虫、雑草を抑制
- 土の団粒化団(土がフカフカになり作物の根の張りが良くななる
- 有機肥料成分がたくさん入る
効果的な土作りの手法です。
太陽熱養生処理の手順
八尾青山町キッチンファームの太陽熱養生処理の手順は、
- 微生物の餌や住処となる有機資材とミネラル成分のすき込み
- 納豆菌強化えひめAIの散布
- 透明マルチ張り
以上で太陽熱養生処理の準備が整います。
後はたっぷりの太陽光にあてます。
時期は6月の梅雨の時期から盆過ぎで梅雨明けの強烈な太陽光をたっぷり浴びさせます。
1 有機質資材とミネラル成分のすき込み
ねらいは微生物が増殖するための餌と微生物の住処づくりです。
まず、有機物として腐葉土、堆肥として牛糞堆肥、肥料成分として自家製のぼかし肥料、ミネラル成分の補強として牡蠣殻石灰を散布し、管理機ですき込みます。
八尾青山町キッチンファームの畝は畝幅1.8m、畝長25mに統一しています。
この畝に腐葉土10l、牛糞堆肥80l、自家製ぼかし肥料20kg、牡蠣殻石灰畝1mにつき1握、ようりん1mにつき1握を散布します。
散布後、畝をきれいなかまぼこ型に整えておきます。
2納豆菌強化えひめAIの散布
太陽熱養生処理には納豆菌強化えひめAIを散布します。納豆菌強化えひめAIは自家製ですので贅沢に原液10lを投入しています。
納豆菌強化えひめAIは、天気予報に注意し雨が降る直前に行います。梅雨の時期の晴れ間がベストです。
3透明ビニルマルチを張ります
梅雨の雨が十分降れば、頃合いを見計らって透明ビニールマルチを張ります。畝幅が1.8mですので幅1.8mの透明ビニールマルチがぴったしです。
太陽熱養生処理に使う透明ビニールマルチのすそは、透明ビニールマルチ押さえで押さえてからたっぷりの土をかけて押さえておきます。
太陽熱養生処理で使う透明ビニールマルチの被覆は、水分と熱の発散を防ぐことが目的です。できる限り厳密に土をかけしっかりと被覆することが大切です。
太陽熱養生処理では、たっぷりの梅雨明けの太陽を浴びせます。
秋の作付まで透明ビニールの被せたままにしておきます。
すでに元肥を入れてあるため、できるだけ雨に打たせることなく、秋の植え付けの作業に
かかっていきます。
太陽熱養生処理中、日差が高く気温が高い日には60度を超える日が続きます。
太陽熱養生処理は、夏の暑さのピークが過ぎる盆過ぎに終了します。八尾青山町キッチンファームは、秋の作付け作業のために、8月下旬に透明ビニルマルチを片付けています。
透明ビニルマルチは繰り返し使うためため、大切に仕舞います。ホースでほこり、泥を洗い流します。
太陽熱養生処理で使った透明ビニルマルチを片付けます。折りたたんでハウス用タイテープでくくって室内で保管しておきます。
太陽熱養生処理のメリット
太陽熱養生処理は、土壌の化学性、生物性、物理性を一気に改善するほか次の効果があります。
- 低コスト
- 安全
- 雑草抑制効果
1.低コスト
自家製ぼかし肥料や納豆菌強化えひめAIを使用するので低コスト
2.安全
人にも土壌にも作物にも安全で効果が高い
3雑草抑制効果
雑草の種が死滅するので、雑草が減る
60℃ | 雑草の種が死滅 |
45℃ | 放線菌が発生 |
30℃ | 土壌の団粒化 |
下の写真は↓太陽熱養生処理をした畝としていない畝の違いです。秋野菜を植えるために太陽熱養生処理をしました。
秋分の日の頃の様子です。透明ビニルマルチをお盆過ぎにはがしました。
太陽熱養生処理をした畝は、雑草の種が死滅しており、まったく雑草が生えていません。
太陽熱養生処理のまとめ
八尾青山町キッチンファームは、有機物として腐葉土を投入しています。腐葉土は自宅近くの高尾山周辺で落ち葉を集めたものです。
有機物としては、腐葉土は必ず投入し、手に入ればバーク堆肥、裁断わら、もみ殻、米ぬか、ふすま、廃菌床なども投入したいと思っています。
家庭から出る生ごみを発酵させたのもいいですね。
ただ、植物性のものを中心に考えています。
太陽熱養生処理は大変効果が高いので、輪作の体系に組み入れ、年に1~2畝ずつですが、実施しています。
透明ビニルマルチをめくり菌糸が出ていたり、土壌団粒化していれば太陽熱養生処理は成功です。