土つくりについて

ようりんを使いこなす。ようりんの特徴と種類|八尾青山町キッチンファーム

ようりんは、化学肥料ではありません。れっきとした天然の原料に基づく有機農産物適合肥料なのです。

八尾青山町キッチンファームのお気に入りの肥料です。

ようりんの主原料は,りん酸と石灰を含むりん鉱石と、けい酸と苦土を含む蛇紋岩に代表される岩石が原料です。

りん鉱石や蛇紋岩らの天然原料を電気炉または平炉で、1,400℃前後でドロドロに溶かして作ります。

原料は自然に存在するもので、りん酸、石灰、苦土、けい酸の化合物でも混合物でもありません。

ようりんは、化学肥料ではありませんが、多くの優れた特徴があります。

ようりんの主な特徴をまとめてみました。

ようりんの優れた特徴

ようりんは、多くの優れた特徴を持った有機農産物適合肥料です。

  1. 多くの微量要素を含んでいます
  2. 収穫残渣の分解を促進します
  3. 土壌をゆっくりアルカリ性にします
  4. ようりんは経済的で省力的な肥料です

 

多くの微量要素を含んでいます

ようりんの保証成分は,りん酸、苦土、けい酸、石灰です。副成分として,鉄,銅,コバルト,亜鉛,ほう素などの微量要素を含んでいます

ほう素とマンガンを保証したBMようりんもあります。

ようりんは、耕作し続けると不足してくる多種の微量要素を含んでいるのが特徴です。

収穫残渣の分解を促進します

ようりんは、収穫残渣に散布すると,分解を促進する効果があります。

収穫後の葉、茎を畝の中心に埋めようりんを散布し、土を被せておきます。

収穫残渣に使用すると、ようりんに含まれるりん酸、苦土、石灰が、収穫残渣の分解に必要な微生物の栄養源となり、収穫残渣が早く腐熟します。

土壌の保肥力を高め、施肥効果が増進されます。

八尾青山町キッチンファームは、とうもろこしの収穫後の葉、茎の残渣処理に使用しています。太陽熱養生処理をした後、白菜、春菊などの秋作にぴったりです。

土壌をゆっくりアルカリ性にします

ようりんは弱アルカリ性です。

ようりんは水には溶けず、く溶性といって土壌中の弱い酸や作物根,土壌粒子との接触によって溶けて吸収されます

石灰類は急激にアルカリ性を示しますが,ようりんは、多量に施用しても,アルカリの効果はゆっくりとあらわれます。

ようりんの各成分は、く溶性のために、初めから終わりまで作物の成長にそって長時間、有効に吸収されます。

「接触溶解吸収」といわれ、ほかのりん酸質肥料には見られない特長です。

く溶性のため,河川、湖沼への流亡が少なく,環境にやさしい肥料といえます。

ようりんは経済的で省力的な肥料です

野菜の栽培では、土壌を改良するため、石灰肥料、りん酸質肥料、マグネシウム肥料、けい酸肥料などいろいろな肥料を使用します。

ようりんは,ようりん一つでこれらの要素を総合的に含んだ土づくり肥料といえます。

ようりん1袋(20kg)の中には,りん酸4kg(過りん酸石灰1.2袋に相当)分が含まれています。また、苦土3kg(水マグ0.2袋に相当)、けい酸4kg(ケイカル0.7袋に相当)が含まれるほか、アルカリ分10kg(ケイカル0.7袋+苦土炭カル0.4袋に相当)が含まれています。

ようりん20kgは、ほかの肥料合計約50kg分(苦土炭カル8kg、ケイカル14kg、水マグ4kg、過石24kg)に相当することになります

ようりんは経済的で省力的な肥料といえます。

ようりんの種類

りん酸20%のようりんを基準として

  • りん酸を高くした「23%ようりん」
  • けい酸を高くした「ようりん高けい酸」
  • ほう素、マンガンを加えた「BMようりん」

があります。

また、それぞれに砂状タイプようりんと、散布しやすい粒状タイプようりんがあります。

まとめ

ようりんは、土壌をゆっくりアルカリ化し、多種類の微量要素を含んだ有機農産物適合肥料です。

  • ようりんは、りん酸、苦土、けい酸、石灰の主成分のほか、多種類の微量要素が含まれます。
  • ようりんは、根から分泌される有機酸に溶ける「く溶性」で、流亡することなく作物に吸収され、環境にやさしい肥料です。
  • ようりんは、土壌の酸度矯正が図れます。
  • ようりんは、複数の要素を含んだ土づくり肥料で経済的で省力的な肥料です。

八尾青山町キッチンファームは、粒状BMようりんを使用しています。扱いやすく肥効がしっかり現れます。