秋の味覚の代表格のひとつは、さつまいもですね。
最近では、スイーツのようにしっとり甘いさつまいもも人気あります。
栄養面でもたいへん優れています。肌にハリやツヤを与えるビタミンCや、細胞の老化を防ぐビタミンEなど、肌の健康に欠かせない栄養をたくさん含んでいます。
美味しい上に、おなかに優しいさつまいも。八尾青山町キッチンファームの栽培方法を紹介しましょう。
目次
さつまいもは肥料が必要、ぼかし肥を1握り
さつまいもは肥料が要らないといわれます。前作によりますが、最低限の肥料は必要です。特にカリとミネラル分は必要です。
八尾青山町キッチンファームは、自家製のぼかし肥を埋めています。畝を三角ホーで割り、1mにつき1握りを埋め込みます。
信用のあるさつまいも苗業者から苗を買い、4月中に植え付け
毎年、4月下旬にさつまいもの苗が到着するように発注しています。今年は4月27日にべにはるかの苗が到着しました。
苗は毎年四国の苗屋さんから購入しています。苗はできるだけ早い時期に植え付けるのがポイントです。
ホームセンターでも早くから売られているのですが、温室育ちでひょろひょろ、節も3節ほどしかありません。
私が購入している苗も温室で育てられているとは思うのですが、がっしりしていて節は10節ほどあります。
毎年1番苗を送ってもらっているので4月中には植え付けられます。
さつまいもは、自家育苗!伸びた側枝を切り取り苗にする
購入した苗を大事に育て6月中ごろから側枝を切り取って苗にします。
まず、先端を7節ほどで切り取り、その後、側枝が伸びてきますのでその側枝が7節ほど伸びたら順次切り取っていきます。7月初めぐらいまで続けます。
さつまいもは水平植えで。小さないもをたくさんつける
苗は活着が大事です。4月後半からの大型連休中は案外雨が降りません。朝晩の水かけと乾燥防止のため竹の板が必須です。
また、苗が到着したら、一刻も早く箱から苗を取り出し苗の元部を水につけて苗に水をあげます。もし、植え付けまで日数がかかるようでしたら、仮植えしておきます。
畝を十分に湿らしてから苗を植え付けるのも大切です。さつまいもは、乾燥に強いと言われますが乾燥した畝に植えてはいけません。
畝が乾燥していたら、植え付け前に十分潅水しておきます。
せっかく大切に育てられた苗ですから、十分な配慮が必要です。
さつまいも苗の植え付けは、竹の板で押さえておくだけでいい。
青山町キッチンファームでは、さつまいもの苗をたまねぎやにんにくの収穫跡に植えていきます。
たまねぎの黒マルチを半分めくり、三角ホーで溝を掘り苗を置き竹の板で押さえておきます。
たまねぎの収穫跡のマルチの穴に直立植えをしてもいいのですが、いもが大きくなりすぎるので水平植えにしています。株間は、30cmから40cmです。
7節ほどの苗を水平植えでうえると、小さめのいもが沢山つきます。直売所では小さい目のいもの方が1回で食べきれますので好まれるようです。
水平植えは、マルチの穴は使いにくいので半分めくり、竹の板で押さえておくのです。活着が確認できたら、雑草防止のためもう半分にも黒マルチを被せます。
↓下の写真はさつまいもつるの植え付け直後の様子です。乾燥防止のため竹の板をつるの上に置いています。
↓下の写真はさつまいもつるの植え付けの翌日の写真です。しおれずに頑張ってくれています。葉が立ちあがってきています。
下の写真↓は、植え付け12日目のさつまいもの様子です。完全に活着し新しい葉が展葉しています
さつまいもに最適!ぼかし肥を水に溶かし、さつまいもの成長を助ける
さつまいもの苗が活着し順調に生育しています。
伸びた芽を挿し穂にするので、水やりと共にぼかし肥を水で溶いたのを5月いっぱいやり続けています。
6月になれば、肥料を与えすぎると葉ばかりでいもが太らないので肥料は硫酸カリを1回与えるだけに止めます。
さつまいもの大敵はコガネムシの幼虫、腐葉土をすきこまず
さつまいもは、コガネムシの幼虫が大敵です。体長2~4センチ、白色または黄色の幼虫が土の中に住んでいます。
青山町キッチンファームを耕していると体を丸めた状態でよく表れます。1匹1匹手でつぶしています。
さつまいもの表面を浅くかじり、傷をつけます。傷口から黒斑病が侵入してさつまいもを黒く腐らせます。
青山町キッチンファームは有機肥料中心に野菜を育てています。山で集めてきた落ち葉を腐葉土にしてすきこんでいます。
しかし、たまねぎやにんにくの収穫後すぐに、さつまいもの苗を植えなければならないので、さつまいもの畝は腐葉土をすきこみません。
6月後半コガネムシの成虫が甘いとうもろこしにひかれて飛来します。成虫は横のさつまいもの畝に卵を産みます。
土に腐葉土を混ぜ込むとすぐに分解できずコガネムシの幼虫が多発し、被害が大きくなるのです。
腐葉土は土にすき込まず、土の上に置く程度がいいのではないかと、思っています。
さつまいもの栽培と育て方、八尾青山町キッチンファームの一工夫とは!
たまねぎに使った黒マルチをたまねぎの収穫後畝の頂上で半分に折りマルチ抑え固定します。
以前はたまねぎの植穴跡に、さつまいもの苗を直立挿しで挿していました。直立挿しは大人の葉が2から3枚付いた短い苗を使います。
直立挿しは黒マルチを使う場合作業がしやすいのが利点です。大きないもが2、3個付きます。
さつまいもの栽培方法、水平植えがベスト
直売所では小さないもが好まれますので、小さいいもが5,6個付く水平植えに改めました。
黒マルチの穴には、水平植えでは植えられません。畝の頂上で半分に折り、いも苗を水平植えで植えてから、残りの半分を別の黒マルチで畝を覆うやり方で栽培しています。
皆さんもお試しを!
さつまいも採苗のポイント
4月末に挿したさつまいもの苗が順調に成長しています。苗にするくらいに伸びてきたら1回目の苗採をします。1回目は6月10日前後です。
1度目は、1つの株から1本程度でしょうか。茎から採捕したつるを苗とします。苗とするのは、葉っぱが6枚ほど展葉した茎です。
はさみで切り取り、切口が乾いたらできるだけ速やかに挿します。
さつまいもの挿し方のコツ、八尾青山町キッチンファームの特許です
たまねぎ、にんにくの収穫跡に挿しますので、たまねぎ、にんにくの栽培に使った黒マルチを畝の頂上で半分に折りマルチ押さえで止めます。
めくった畝半分には、幅5cmほど空けて新しい黒マルチを張ります。空けた5cmほどの隙間に苗が植わっていることになります。
切り取った苗を畝の上に置き、竹の板を苗の上に置きます。
八尾青山町キッチンファームは小さ目のいもをたくさん収穫したいので苗を水平植えにしています。
植える、挿すという表現より置くと言った方が適確かもしれません。要は「切り取った苗を畝の上に置き、竹の板を被せる。」ですね。
苗は切り取ったばかりの苗を使います。わざと「しおらせる」方法もありますが、どうせ、根が出るまでに、しおれてしまいます。できるだけ元気なうちに土に接するようにするのが大切です。
さつまいもの収穫は、苗を挿してから120日程度
4月の下旬に購入した苗を挿したさつまいもは、8月の下旬には収穫ができます。小さいですがお盆に少しだけ収穫しお墓のご先祖様にお供えできます。
さつまいもの8月20日の様子です。品種はべにはるかです。 葉っぱで畝1面が覆われてきています。少し雑草が生えているのは愛嬌です。
今年は雨が降らないうえ、気温が非常に高いです。
用水の設備のない畑は葉が黄色くなり萎れてきています。さつまいもは乾燥に強いといっても、もう限界ではないでしょうか。雨がほしいです。
八尾青山キッチンファームは昨年上水道を引きました。今年の夏は非常に役立っています。毎日水遣りに追われています。
もし、水がなかったら畑の作物は全滅しているかもしれません。
上水道なので結構水道代がかかるのが、つらいです。
本格的な収穫は10月になってからです。6月の初旬に苗採りしたさつまいもは10月初旬の収穫です。
6月初旬に挿したさつまいもは梅雨の時期で活着がよく、形のいいいもが付きます。
9月は気温がまだ高く、収穫は重労働になります。肉体的には10月になってからの方が楽ですね。
苗を挿してから90日程で収穫適期になります。
収穫が遅れると、土の中の害虫がさつまいもの皮を食べ、汚くなります。120日程度までに収穫するといいでしょう。
収穫には写真のようなフォークを使います。べにはるかは、長い根の先にいもが付いていますので、株元から40㎝ほど離れた位置からフォークを入れます。
掘り上げたら期待どおり、写真のようないもが付いていました。土が乾くまで土の畝の上に置いておきます。
十分乾いたら1個づつ新聞紙に包んで段ボール箱に入れて保存します。いもを水で洗い土を落としたら腐りやすいので水洗い厳禁です。
さつまいもの保存の仕方、新聞紙に包んで室内に入れる
愛情を込めて育てたさつまいもを収穫後、長く楽しめるよう大事に保存しましょう。
保存の手順
① 天気の良い日に収穫します。できるだけ傷をつけないよう丁寧に掘り起こします。
② さつまいもを洗わず泥つきのまま、雨のかからないところで2〜3日よく乾かします。
③ 乾いた泥を手で払い落とし、ひとつずつ新聞紙でくるみます。
④ 段ボールや穴を開けた発泡スチロール、収穫かごなどに入れ、風通しのいい冷暗所で保存する。
9月中旬に収穫すると、気温がまだ高いので収穫したさつまいもから発芽します。収穫は気温が下がる10月になってからの方が体が楽です。
9月に収穫しすぐ食べない時は、新聞紙にくるみ風通しのいい部屋で保管します。
発芽しても、早い目に芽を取り去れば、支障なく食べれます。
さつまいもは収穫後も呼吸をしています。通気性のない場所に保存すると、中に二酸化酸素が充満し早く傷みます。
ビニール袋や発泡スチロールの箱など、通気性のない物の中で密閉保存するのは止めましょう。
段ボール箱などを利用し、通気の穴を開けて、保存するのがいいです。
さつまいもを保存すると甘くなる!
さつまいもは、収穫してから1か月くらい置くと、追熟し、さつまいものデンプンが時間をかけて糖分に変わっていく為、収穫したばかりの時よりも甘味が増します。
八尾青山町キッチンファームで栽培しているさつまいもの品種、べにはるかは、追熟するとたいへん甘くなります。
さつまいもの保存をきちんとすれば、3か月から6か月と長期保存するとことが出来ます。
八尾青山町キッチンファームの自宅の土蔵で保管し随時出荷しています。土蔵は、温度が安定しており、風通しもいいので保管場所としては最高です。
まとめ
以上がさつまいもの八尾青山町キッチンファームの栽培方法・育て方です。
順調に育つと10月初旬には収穫ができます。
少し気温が下がった10月にさつまいもほりをすると楽しいですよ。家族や友たちと一緒にやるととても盛り上がります。
収穫の喜び、楽しい!を、ぜひ、さつまいも栽培で体験していただきたいです。
なお、さつまいもに固有に含まれるヤラピンは、大腸の動きを整え、植物繊維と協働して美容に良い成分を多く摂取することができます。
ヤラピンは皮にも含まれていますので、料理に使うときはぜひ皮も一緒に利用してください。