にんにくは、料理の風味づけや、肉や魚の臭み消しなどに大変重宝します。
食欲をそそる独特の香りの源はアリシンという成分。にんにくのアリシンは、ビタミンの吸収を助け、疲労回復に効果があると言われています。
にんにくは、栽培が極めて簡単で、手間がかからないのも魅力です。
秋に球根を植えつけ、雑草をこまめに抜き取っておけば、初夏には収穫できます。ぜひ、栽培に挑戦してみてください。
にんにくは病気や害虫にやられることが少なく比較的育てやすい野菜です。ちょっとしたコツをつかめば、誰でも楽に育てることができます。
料理に使えば味わいがグンと増すにんにく、健康にもいいといわれます。
家庭菜園でも簡単にできますので、ぜひ、挑戦してみてください。
にんにくの栽培方法・育て方のコツについて八尾青山町キッチンファームの栽培方法を紹介します。
目次
おすすめのにんにく種類
にんにくは、大まかに分けて寒地向け、暖地向けの2種類があります。
生産量のトップは青森県ですが、大阪で同じ種類のにんにくを作っても気候の違いでうまく収穫・保存できないことがあります。地域に合ったにんにくの品種を選ぶ必要があります。
北海道・東北などの寒地・寒冷地では、寒地向けの品種を、関東・関東以西などの暖地・温暖地では、暖地向けの品種を選びます。
地域に合わない品種だと病気が出てうまく育たない可能性があります。
家庭菜園で作れる主なにんにく品種
- ホワイト6片
- 平戸にんにく
- ジャンボニンニク
- 無臭ニンニク
- 嘉定(かてい
ホワイト6片
寒地系にんにくの代表品種です。市場にも最も多く出回っている国産にんにくです。色が白く、鱗片(りんぺん)が大きくそろいのよいのが特徴です。消費者に人気があり、種も入手しやすいです。
八尾青山町キッチンファームでも栽培していますが、大阪ですと暖地なので、低温が不十分で球の太りが悪かったり、冬の暖かさで病気が出やすかったりします。
平戸にんにく
関東以西の地域におすすめの暖地系にんにくです。比較的育てやすく、にんにく特有の風味がしっかりあります。
収穫5月上旬と早いので、次作の準備に余裕ができます。八尾青山町キッチンファームおすすめの品種です。
ジャンボにんにく
手のひらサイズの大きなにんにくです。リーキ(西洋ネギ)の仲間です。煮込み野菜に入れると非常においしいです。栽培方法は通常の大きさのにんにくと同じです。
強健で通常のニンニクよりも育てやすいです。八尾青山町キッチンファームでも栽培しています。
無臭にんにく
にんにく特有の風味が少ないので、にんにくが苦手な方にもおすすめです。鱗片が10個以上付き、極大サイズのにんにくが収穫できます。
暖地でも育てやすく、小片を植え付けても大きなにんにくになります。
嘉定(かてい)にんにく
暖地向けの作りやすい早生品種です。やや小ぶりですが香りの強いにんにくが楽しめます。若いときに収穫する葉ニンニクとしても使えます。
にんにくの植え付け時期
にんにくは9月後半から10月下旬に植え付けます。
注意すべき点は、気温です。まだ暑さが残っているうちに植え付けてしまうと、ウィルス系の病気にかかりやすくなります。
暖地では11月ごろでも問題ありません。ただし、植え付けが遅れて寒くなり過ぎると根の張りが少なく、春ににんにくの太りが悪くなります。地温20℃前後が目安です。
にんにく栽培、追肥しないことが栽培のコツ
9月後半、遅くても10月初めまでににんにくを植えます。平戸にんにくは、大阪では9月中に植えると翌年4月後半に収穫できます。
ホワイト6片は、寒冷地向きの品種ですが大阪でも十分栽培できます。栽培のコツは追肥しないことです。農業解説書では2、3回の追肥を勧めていますが、決して追肥をしてはいけません。
にんにくの根は、年明けには十分伸びている
八尾青山町キッチンファームでは、基本は追肥なしです。成長が遅いなと感じたら遅くても年内に畝横にぼかし肥料を追肥します。決して年が明け以後やってはいけません。
にんにくは根の成長が大変早いです。地上部はまだ大きくなっていなくても、根は十分に拡大しています。
2月の初めにマルチをめくるとマルチの下にしっかりと白い根が張っています。もし、この時期にせっかく育った根に肥料を与えると、すぐに病気が出ます。
成長せず逆に小さくなっていきます。春先にさあ、これからだと、肥料を与えたい気持ちはわかりますが、決して与えてはだめです。
にんにくの栽培 元肥は、畝1mにつき、ぼかし肥料4握、過燐酸石灰1握
八尾青山町キッチンファームは、畝1mにつき、ぼかし肥料4握、過燐酸石灰1握を元肥として三角ホーで溝を切り埋め込みます。
黒ビニルマルチを被せますので肥料分の流出が少なくて済みます。基本的に肥料は元肥だけです。
にんにくの栽培 成長が遅れている株だけにぼかし肥を追肥
植えるのが9月後半だと、12月末には5葉程度展開しています。
もし、成長が遅れていたら11月末に遅れている株のみ株元にぼかし肥を与えます。
11月中ごろに植えてもいいのですが、冬に気温が低いと成長が遅れたまま春を迎え、小型のにんにくが多くなります。
にんにくの栽培 病気の対処法
にんにくは結構、病気が出ます。赤さび病と春腐病(はるくされびょう)が代表的な病気です。
赤さび病は、葉の付け根部分にオレンジ色の斑点がぼつぼつと現れ、次第に株全体に広がっていきます。暖地向けよりも寒地向けのニンニクに出やすいといわれています。
春腐病(はるぐされびょう)は、春の長雨で発生します。茎が茶色く柔らくなり成長が止まってしまいます。
八尾青山町キッチンファームは、ぼかし肥を畝に埋め有用菌を増やすようにしています。ぼかし肥の納豆菌が病原菌の増殖を抑制してくれるのを期待しています。
また、雨水がたまらないよう畝を高くし、黒マルチを用いて土の跳ねを防いでいます。
肥料が多過ぎても病気が出やすくなりますので、追肥は基本的にしません。もし、病気の株を発見したら即、抜き取り拡散を防いでいます。
にんにくの栽培 収穫方法
にんにくの収穫は葉が2分の1から3分の1くらい黄変したころが目安といわれています。
遅れると球が割れてしまうので早い目に収穫します。
にんにくの芽が出たら早い目に摘み取ります。摘み取ることによって球根が大きくなります。
摘み取った芽は食べられます。油で炒めると美味しいですよ。
株によって肥大に差異がありますので、試し掘りをし、球の状況を調べます。
球の底部が平らになっていれば収穫します。というか底部が平らになっていれば栽培は大成功といえます。ホワイト6片は120g程度になります。
にんにくの栽培 収穫の目安は葉が3分の1くらい黄変したころ
収穫は土が乾き、晴天続きの日を見計らって収穫します。収穫の目安は葉が2分の1から3分の1くらい黄変したころです。
畑の黒マルチの上で2~3日乾燥させた後、根を切り取ります。
葉と茎は切り落とさずそのまま残します。
茎と葉は残した方が吊りやすいです。
8~10束にまとめて、日陰の風通しのよい場所に吊して乾燥させます。
土が完全に乾燥したら、葉と茎を切り落とします。
土の付いた上皮を剥きネットに入れて、風通しのいい日陰に吊るし貯蔵します。
にんにく栽培 収穫のポイント
- にんにくの葉が2分の1から3分の1くらい黄変したころが目安です。晴天続きの日を見計らって手で引き抜き収穫します。
- 収穫したにんにくは、植えてあった黒マルチの上で2~3日乾燥させます。さらに8から10個まとめて吊るし完全に乾燥させます。
- 茎は15cmくらい残し、日陰の風通しのよい場所に吊して貯蔵します。
葉が2分の1から3分の1くらい黄変したころが目安
晴天続きの日を見計らって収穫
黒マルチの上で2~3日乾燥させる
茎は15cmくらい残し、日陰の風通しのよい場所に吊して貯蔵
完全に乾燥させ、土を落とすことが貯蔵のポイント
にんにくの葉っぱは、捨てずに有効利用
にんにくの葉っぱはアブラムシ除けに効果があります。切り取ったにんにくの葉っぱはミニトマトの株元に置きます。
また、黒マルチの温度上昇を防ぐことができます。
にんにくの葉っぱは捨てずに有効利用したいものです。
まとめ
にんにくは、料理の風味づけや、肉や魚の臭み消しなどに大変重宝します。
食欲をそそる独特の香りの源はアリシンという成分。にんにくのアリシンは、ビタミンの吸収を助け、疲労回復に効果があると言われています。
にんにくは、栽培が極めて簡単で、手間がかからないのも魅力です。
秋に球根を植えつけ、雑草をこまめに抜き取っておけば、初夏には収穫できます。ぜひ、栽培に挑戦してみてください。